とにかく痛い…切れ痔(裂肛)の原因と対策についてくわしく説明します。

 

切れ痔(裂肛)のほとんどの原因は「便秘」に代表される固い便です。

 

固い便が肛門から出るときに「歯状線」より外側の肛門上皮が切れて裂け、強い痛みがでたり出血したりする病気です。

 

歯状線の位置は以下のイラストのとおりです。
肛門の構造イラスト

じつは人間のお尻は、この歯状線を境目として痛みの有無が分かれるんです。

 

歯状線より内側(イラストでいうところの「直腸」側)は、大腸と同じで「自律神経」によって支配されているため、痛みはほとんど感じないのです。

 

それに対し歯状線の外側は、皮膚と同じ「脊髄(せきづい)神経」の支配下にあるために痛みを敏感に感じます。

 

そして切れ痔というのはまさに「歯状線の外側」に発生する痔ですので、痛みを感じてしまうんですね。。

 

切れ痔(裂肛)とは

 

切れ痔をイラストであらわすと以下のような状態になります。

切れ痔(裂肛)イラスト

先ほどお話したとおり、患部が歯状線の外側にあることがお分かりいただけると思います。

 

この歯状線の外側の「肛門上皮」とよばれる部分は、皮膚と同じ組織でして弾力性が少なく、血流もあまり多くないことから、ちょっとした刺激でも傷ができたり炎症を起こしたりしてしまうんです。

 

切れ痔の特徴

 

切れ痔はどちらかと言うと女性に多い痔です。というのも、原因の多くが便秘にあることや出産のときに腹圧をかけすぎることで肛門上皮が裂けてしまいやすいからです。

 

痛みの特徴としては、初期のうちはズキッとするような重い痛みではなく、どちらかと言うと「ピリッ」といった軽い痛みが走ることがあげられます。

 

切れ痔もひどくなると、排便時だけでなく排便後しばらくのあいだ痛みが続くこともでてきますので、初期の症状が軽いうちに生活習慣等を整えて改善することが最も大切です。

 

切れ痔の原因

 

冒頭より、切れ痔は便秘をはじめとする固い便が肛門上皮を傷つけることにより発生するとお話していますが、

 

便秘だけでなく、慢性の下痢も切れ痔の原因になります。

なぜ慢性の「下痢」で切れ痔になるのか

固い便が肛門上皮を傷つけることで発生する切れ痔なのに、なんで下痢のような「やわらかい便」でも切れ痔の原因になるのでしょうか。

それは、水分の多い便というのは肛門の粘膜に浸透してしまい、炎症を起こしやすく、粘膜を弱くしてしまうからなんです。

とくに慢性の下痢になると、肛門上皮は常に水分の多い便にさらされることになり、その間粘膜もダメージを受け続けてしまいます。

そのため、便が通るときに少しこすられるだけで、すぐに切れて切れ痔になってしまうということなんです。

 

切れ痔の症状

 

痛み

やっぱり切れ痔で一番辛いことといえば、その激しい痛みです。。

 

先ほどもお話ししましたが、この痛みは傷口のある肛門上皮が「脊髄神経」の支配下にあって痛みを感じる神経が発達していることから起こります。

 

また、痛みのせいで便意があってもトイレにいくのをどうしても我慢してしまったりすることが、さらなる悪化を招き悪循環となってしまうこともよくあります。

 

出血

排便時の出血もよくみられる症状のひとつですが、出血量自体はそれほど多くはなく、おしりをふいたトイレットペーパーにつくぐらいのものであることがほとんどです。

 

腫れ

切れ痔のある部分が炎症のために「腫れ」をもつと、さまざまな違和感が生じる場合があります。

  • 肛門ポリープ(きのこ状の腫瘍)
  • 見張りイボ(外痔核)

といった、切れ痔以外の症状や

  • 分泌物がでることによるかゆみ
  • 肛門狭窄(きょうさく)

などを伴うこともあります。

 

このうち、肛門狭窄については以下ですこし詳細に説明させていただきますね。

 

肛門狭窄とは

 

切れ痔が「治ったりひどくなったり」を繰り返していると、切れた粘膜が治るときに周囲の粘膜をひきつれて、しだいに肛門が狭くなってきます。

 

この肛門が狭くなった状態のことを肛門狭窄といいます。

 

代表的な症状

 

  • 便意はあるのに便が出にくく
  • やっと出ても鉛筆の太さほどの細い便しかでてこない

といった症状が典型的な肛門狭窄です。

 

ナイフなどで身体に切り傷ができると、傷口が治る過程の中で周囲の皮膚が引っ張られていきますよね?

 

あの状態と同じことがおしりの皮膚で起こるということです。

 

こんなイメージです。
肛門狭窄

 

肛門の粘膜で狭窄が起きると、肛門の円周が狭くなってしまうので結果的に便が出にくくなるというわけです。

 

切れ痔の対処法

 

手術が必要な切れ痔は少ない

多くの切れ痔は生活習慣の改善や薬の投与などで治すことができます。

ですので、まずは便通の改善などで保存療法を行います。

 

以下の記事でもお伝えしたとおり

【関連記事】知っていますか?痔を悪化させる「7つの要因」

 

まずはあなた自身の生活習慣の中で「痔になる・痔を悪化させる」要因を見つけ、見つけたらそれを少しずつ取り除いていくという対応から始めていきましょう。

 

症状が治ったあとも…

切れ痔になり、痛い思いをしている最中は、その痛みから開放されるために生活習慣を正すことに成功しても、

 

しばらくすると「あの切れ痔の痛み」がうすれ、ふたたび乱れた習慣にもどってしまうことってよくありますよね。。

 

ですが、便通を整えたりお尻に負担をかけない生活をすることは、一度でも痔になった人(痔主)であれば生涯にわたって意識する必要があります。

 

「治ったからもういいや」ではなく、もう二度とあんな辛い思いはしたくない…と心がけ、あなたなりのセルフケアを継続していただきたいと思います (^^)