日本人に最も多い「痔核(いぼ痔)」の原因と対策についてくわしく説明します

 

痔にはおおきく分けて以下の3つの種類があります。

  • 痔核(いぼ痔)
  • 裂肛(切れ痔)
  • 痔瘻(あな痔)

 

このうち、男性・女性ともに最も多い痔は「痔核(いぼ痔)」です。

 

痔の患者のうち、じつに6割は痔核(いぼ痔)の患者さんなんですね。

(ちなみに、2番めに多いのは男性では「痔瘻(あな痔)」、女性は「裂肛(切れ痔)」です。)

 

今回は痔のなかで、最も罹患者の多い「痔核(いぼ痔)」についてくわしく説明したいと思います。

 

目先の症状をやわらげるためだけの知識を得ることも時には必要ですが、痔核は一度なるとこの先も上手く付き合っていくことが求められる病気でもあります。

 

相手(痔核)をよく知れば、この先の人生のストレスをコントロールすることが可能になりますよ(^ ^)

 

内痔核と外痔核

 

痔核には、「いぼ」ができる場所によって

  • 内痔核
  • 外痔核

のふたつの種類があります。

 

その名のとおり、「いぼ」が内側にできるのが内痔核、外側にできるのが外痔核です。

 

どこを基準に内側、外側を分けるかについては以下のイラストをご覧ください。

肛門の構造イラスト

赤く囲った「歯状線(しじょうせん)」とよばれる部分を基準に、歯状線より痔核が内側(直腸側)にあれば内痔核外側にあれば外痔核です。

 

歯状線というのは、肛門と直腸粘膜を分ける境界部にあたる部分のことをいいます。

 

内痔核

内痔核の特徴

 

内痔核は、先ほどのイラストでいうところの「毛細血管などが集まったクッション部分」(専門用語で「動静脈叢(じょうみゃくそう)」といいます。)がうっ血などを理由に大きくなって、肛門の中に垂れ下がったものです。

 

このような状態です。

内痔核イラスト

 

通常、痛みがないのが特徴です。

 

内痔核になる原因

 

なぜ内痔核ができるかというと、ほとんどの原因は「排便時のいきみ」です。強く腹圧をかけたときに、普段はクッションの役割をしている動静脈そうが弾力性を保てなくなり、周囲の組織といっしょに肛門内に垂れ下がる、という理屈なんです。

 

これは内痔核に限らずですが、排便時にいきむことは肛門に負担をかけてしまいますので、便を適度な柔らかさに保つことはとても大切なテクニックです。(このテクニックについては今後記事にしたいと思っています (^^))

 

内痔核のサイン
・便がスムーズに出なくなった気がする。(引っかかる感じがする)
・痛みがないのに出血があった。
・便の表面に血がついていた
・肛門に何かぶら下がった感じで、残便感がある。

 

【進行度別】内痔核の4分類

 

症状が軽いものから順番に、Ⅰ度からⅣ度に分けられます。

 

Ⅰ 度

排便時に出血はしますが、痔核が肛門外に脱出はしない状態のことをいいます。

Ⅰ度の段階は、まだ内痔核の組織等がやわらかく、血液がよどんでいるだけの状態です。排便時のいきみの力が加わることで、内痔核がふくれあがりかたい便がぶつかることによって出血しますが、排便が終われば出血はおさまります

 

Ⅱ度

排便時に痔核が脱出しますが、排便が終われば自然に元にもどる状態のことをいいます。

Ⅰ度と比べると内痔核が大きくなるため排便時に脱出しますが、出たり戻ったりをくり返すうちに粘膜が厚くなります。そのため、Ⅰ度のときよりも出血量が減ることもあります

 

Ⅲ度

排便時に脱出し、指で押さないと戻らない状態のものをいいます。

II度と比較してさらに内痔核が大きくなり、指で戻さないと痔核が脱出したままになってしまいます。また、戻し方によってはうっ血して痛みが出たり出血があったりもします。

 

排便時だけでなく、重いものを持ったりお尻に負担のかかるスポーツなどをしても痔核が脱出してしまうことがあるのも、このⅢ度の特徴です。

 

Ⅳ度

第Ⅳ度の段階まですすむと、排便時であるとないとにかかわらず、痔核が肛門外に脱出しっぱなしになってしまいます。

たとえ手で戻してもすぐに脱出してしまいますし、痔核自体も2つ3つと出てくることもあります。また、内痔核が脱出していることで肛門内の粘膜もそれにひっぱられて外に出てくることもあり、そうすると便がもれやすくなるなど生活に支障が出るようにもなります。

 

内痔核への対処

 

内痔核は必ずしも手術が必要なものではありません。

とくに「Ⅰ度」「Ⅱ度」の段階であれば生活習慣を整えるだけでじゅうぶん症状の改善が可能です。

「ん?なんかおかしいな」と感じた段階で、痔の原因を取り除くライフスタイルを意識してくださいね。

【関連記事】知っていますか?痔を悪化させる「7つの要因」

 

 

外痔核

外痔核の特徴

 

外痔核は歯状線より外側にできる痔核のことです。

外痔核イラスト

さきほど説明した内痔核とは違い、外痔核は痛みがあるのが特徴です。

 

じつは歯状線より外側というのは、皮膚と同様に「体性神経」というものに支配されているため、痛みを感じてしまうんです…。

 

外痔核になる原因と対応

 

外痔核は、肛門の周囲をクッションのように囲んでいる動静脈叢に「血栓(血のかたまり)」ができることが原因です。

 

同じ姿勢を取り続けていたりして起こる血行不良が主な原因ですから、血流を良くすることが大事です。

毎日の入浴はもちろん、使い捨てカイロや腹巻きなど、腰から下を温めるように普段から意識してくださいね。